1950年代にさかのぼる水俣病をはじめ
1950年代にさかのぼる水俣病をはじめ、有機水銀、カドミウム汚染による「公害先進国」である日本では、1960年代から1970年代にかけて公害被害者救済の立ち遅れが厳しく糾弾された。これを背景に、日本では、OECD案にある企業の汚染防止費用の負担だけではなく、汚染環境の修復費用や公害被害者の補償費用についても汚染者負担を基本とする考え方が一般的であり、この拡張したPPP解釈である「汚染者負担原則」に立って、1973年に「公害健康被害補償法」が制定された。
なお、従来から国や地方自治体が対応してきた下水道処理やゴミ処理などは、国民や地域住民の税金で費用が賄われる、いわゆる「共同負担原則」に基づいて行われてきた。ゴミ有料化を求める根拠として「汚染者負担原則」を唱える場合の「汚染者」には、「生産者」だけではなくゴミを発生する一般市民も含まれることに注意すべきである。
1975年には欧州共同体(EC)もPPPを汚染防止の国際的原則として採択した。米国でも1980年12月に制定されたスーパーファンド法(1980年包括的環境対処補償責任法)において、有害廃棄物の放出に責任のある者(潜在的責任当事者:PRP)に汚染浄化費用負担義務を課している。
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さらに、1992年にリオ・デ・ジャネイロで開催された国連環境開発会議(UNCED)で採択されたリオ宣言の原則15で「重大あるいは取り返しのつかない損害の恐れがあるところでは、十分な科学的確実性がないことを、環境悪化を防ぐ費用対効果の高い対策を引き伸ばす理由にしてはならない」という、いわゆる「予防的取組」が提唱された。